独断と偏見による『ニュージーランドMY BEST』の第2弾。今回は過去200件以上訪れたカフェ・レストランの中から【絶品料理が食べられるニュージーランドのレストラン BEST10】をご紹介。

ちなみに、みなさんは「ニュージーランドの食事」に関してはどんなイメージをお持ちだろうか?

ニュージーランドの国旗には ”ユニオンジャック” のマークがあるように、イギリス人の手によって植民地化が進められたこともあり、残念ながら「食」のレベルは決して高いとは言えない。外食はとにかく高く「このクオリティーでこの値段!?」と何度悲しくなったことか…。それなりのものを食べようとすれば、モーニングやランチであれば$20~30、夜は$50前後は覚悟が必要。「安くて早くて上手い」が揃っている日本と比較すると、どうしても見劣りは否めない。

が、しかし。この国には美しい川と海。エネルギー溢れる豊かな大地。そして寒暖差が激しい気候もあり「食材」が育つには最高の環境が揃っている。さらにここ15年で、環境意識の高い富裕層やセレブがニュージーランドに移住ブームが起きたことで、世界クラスの料理人たちも追随。どのレストランも「地産地消」「旬」を大切にし、野菜・フルーツ・魚・肉すべてが新鮮で上質。

まだ「食文化」と言えるほどの成熟度はないものの、ニュージーランドの「食」のレベルは近年急激に上がっている。今回は、ぼくが今までニュージーランドのカフェ・レストランを200件以上取材した中から、ニュージーランドを旅する際にぜひ訪れて欲しい ”とっておき” レストランBEST10をご紹介しよう。

ちなみに今回は純粋に味の良し悪しだけでBEST10を選ばせてもらった。それでは第10位から順に発表していこう。

10位 The Larder, Wellington

ウェリントン中心部から車で約20分ほど離れたミラマーという住宅街にひっそりと佇むカフェ&レストラン「The Larder」。ウェリントンはコーヒー世界8大都市の1つということで、カフェのレベルが高いのはもちろんのこと、「食」のレベルも非常に高く、ここはページの都合上、泣く泣くガイドブックから落選することになった隠れ名店。地元の旬で質のいい食材にこだわった、愛情あふれる家庭的な味を楽しむことができる。スタッフの感じも◎。

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The Larder
133 Darlington Road, Miramar, Wellington
8:00 – 15:00(火~土曜)/9:00 – 15:00(日曜)
URL:https://www.thelarder.co.nz/
Instagram @thelarder_nz

9位 Cafe Polo, Wellington

10位の The Larder と同じミラマー地区にある名店「Cafe Polo」。100%フェアトレード&ホームメイド、さらには旬なローカルフードをふんだんに利用するなど、食材へのこだわりは徹底しており、その愛情あふれる料理を求め、わざわざ遠方から足を運ぶ人もいるほど。コーヒーの味も◎。ぜひウェリントン中心部から足を少し伸ばして訪れてみて欲しい。

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Cafe Polo
84 Rotherham Terrace, Miramar, Wellington
9:00 – 14:00(月曜休み)
URL:https://www.cafepolo.co.nz/
Instagram:@cafepolo

8位 Black Estate, Waipara

クライストチャーチから車で約1時間のところにある、ワインの生産地として人気が急上昇中のWaipara(ワイパラ)。畑から持ち込まれた自然酵母のみで発酵させるなど、ナチュラルなワインづくりに定評があるが、ワイン以上にお勧めしたいのが、ここの料理。併設されているレストランで使用する食材はほとんどが地元で収穫されたもの。一面に広がるワイナリー畑を眺めながら味わう絶品料理とワインは、最高のひと時となること間違いなし。

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Black Estate Wine
614 Omihi Road, Waipara
営業時間不明(月・火曜休み)
URL:https://blackestate.co.nz/restaurant-and-cellar-door/
Instagram @blackestate

7位 Olive. , Wellington

ウェリントンの最もヒップなキューバ・ストリートに位置するカフェ&レストラン「Olive.」。カフェということもあって店内は比較的カジュアルな雰囲気だが、「盛り付けの美しさ」「繊細な味」はニュージーランドのトップレストランに一切引けを取らない。夜にはライブミュージックをしばしば開催しており、ぜひその日を狙って足を運んでみて欲しい。

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Olive.
170 Cuba Street, Te Aro, Wellington
8:00 – Late(火~土曜)/ 8:00 – 15:00(日・月曜)
URL:https://www.oliverestaurant.co.nz/
Instagram @oliveoncuba

6位 Tantalus Estate, Waiheke Island

ニュージーランド最大の都市オークランドからフェリーで30分でアクセスできる、ニュージーランド屈指のリゾート地「ワイヘキ島」。ワインやオリーブの産地としても有名で、世界中のセレブが訪れる島とあって、ワイナリーのレベルはどこも高い。その中でも特にお勧めしたいのが、ここ Tantalus Estate(タンタラス・エステート)。2013年オープンと歴史は浅いが、ワイヘキ島を代表するワイナリー&レストランに急成長。うなぎや麹を使用するなど、独創性あふれるフュージョン料理を楽しめる。

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Tantalus Estate Vineyard
70 – 72 Onetangi Road, Onetangi, Waiheke Island, Auckland
11:00 – 17:00
URL:https://tantalus.co.nz/
Instagram @tantalusestate

四角大輔・トミマツタクヤ・野澤哲夫・長田雅史4者共著のガイドブック『LOVELY GREEN NEW ZEALAND』が2018年9月に発売。著者らが実際に足を運び、心からおすすめできる物件のみが掲載された ”究極のガイドブック” がここに完成!!!

5位 Fluer’s Place, Moeraki

ダニーデンから車で約1時間、小さな漁村モエラキにある知る人ぞ知るニュージーランドの超名店。わざわざここを訪れるために遠方から宿泊する人もいるほど。目の前の海で獲れたばかりの魚を地元の漁師から直接仕入れるなど オンサイト※” に徹底的にこだわったシーフード・レストラン。オーナーのFluer(フレアー)さんは食事に来たお客さんのテーブル1つ1つを回っては挨拶するなど、好感度も◎。ここの料理は、愛と暖かさに溢れ「懐かしさ」を感じさせてくれる家庭的な味。まずは王道のクラムチャウダーを味わって欲しい。2階にテラス席もあり、オーシャンビューでの食事がお勧めだ。

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※ オンサイトとは、直訳すると「目に見える範囲」。今まで取材してきた上質でサステイナブルな方針を掲げるレストランやカフェで何度も耳にしたこの言葉は「小規模経営へのこだわり」と、機械や加工品に頼らない「手作業やハンドメイド」を意味する。さらに「顔が見えること」、つまり信頼できる地元の知人から食材を仕入れることも指している。この究極が、各レストランが所有する畑の収穫物を扱う「Garden to Table」スタイル。

Fluer’s Place
169 Haven Street, Moeraki
10:30 – 21:00(月・火曜休み)
URL:https://www.fleursplace.com/
Instagram @fleursplacemoeraki

4位 Hopgood’s, Nelson

高台の目抜き通りという好立地のレストラン。大切な会食やお祝い時など、地元の人が「ここ一番」で利用するという。ローカルシーフードから、肉料理、サラダなどどれも一級品。ニュージーランド全土のレストランがエントリーするアワードの受賞歴もあるなど、その味は保証付きだ。

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Hopgood’s Restaurant
284 Trafalgar Street, Nelson
17:30 – 21:30(日曜休み)
URL:www.hopgoods.co.nz
Instagram:hopgoodsandco

3位 Craggy Range, Hawke’s Bay

ワイン業界で最難関といわれる「マスター・オブ・ワイン」の資格を持つスティーブ・スミス氏と、アメリカの大富豪ピーボディ・ファミリーが共同経営するワイナリー「Craggy Range(クレイジー・レンジ)」。レストラン内はまるで宮殿のような作りで、料理もワインも一級品。料理には自家菜園で育てられた野菜と、地元で撮れたお肉や魚がふんだんに使用されている。

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Craggy Range
253 Waimarama Road, Havelock North
Lunch: 12:00 – 15:00/Dinner: 18:00 – Late(予約要)
URL:https://www.craggyrange.com/
Instagram:@craggyrange

2位 Pegasus Bay, Waipara

ワイパラの名を世界に轟かせたのが、ここ Pegasus Bay(ペガサス・ベイ)。ワインの質はもちろんのこと、料理雑誌『Cuisine』で過去10年に7度もニュージーランドのワイナリーレストラン最優秀賞を受賞するなど、その料理のクオリティーは保証付き。自家菜園で栽培された野菜・フルーツ・ハーブなど、旬の食材をふんだんに使った料理を楽しめる。世界中の食通とワイン通を唸らせる、ニュージーランドの世界に誇るワイナリー&レストランだ。

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Pegasus Bay
Stockgrove Rd, Waipara, RD 2 Amberley 7482, North Canterbury
12:00 – 16:00(※ワインテイスティング:10:00 – 17:00)
URL:https://www.pegasusbay.com/
Instagram:@pegasusbaywine

1位 Gatherings, Christchurch

ガイドブック『LOVELY GREEN NEW ZEALAND』でなんと2ページにも渡って特集されたニュージーランドNo,1レストラン「Gatherings (ギャザリングス)」。味・コンセプト・見た目の美しさ・店内の雰囲気・ホスピタリティなどすべてが一級品で、ニュージーランド内では別格で群を抜いている。

ちなみにここはベジタリアン・レストランなのだが、それを表に出していないのだが、オーナーのアレックスはこう説明してくれた。「もし “ベジタリアンのお店” と掲げれば、それだけで敬遠してくる人が出てきてしまう。だからそれを知らずに来て食べてもらい、ベジタリアン料理を見直してほしい」とのこと。

さらに、お客さんすべてがちゃんと自分の目の届く範囲で料理を届けたいという想いから、お客さんが入れるのはわずか20名ほど。日本の食文化にも傾倒しており、料理を通して四季を楽しめようにメニューはコースのみだが、その味の良さは保証しよう。

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Gatherings
5/2 Papanui Road, Merivale, Christchurch
水~金:18:00 – 23:00/土:12:00〜14:30・18:00〜23:00
URL:https://www.gatherings.co.nz/
Instagram:@gatheringschch

▶︎ まとめ

独断と偏見で選んだ『絶品料理が食べられるニュージーランドのレストラン BEST10』いかがだっただろうか?改めてベスト10を一覧にして振り返ってみよう。

【絶品料理が食べられるレストラン】BEST10 in ニュージーランド

1位 Gatherings, Christchurch
2位 Pegasus Bay, Waipara
3位 Craggy Range, Hawke’s Bay
4位 Hopgoods Restaurant, Nelson
5位 Fluer’s Place, Moeraki
6位 Tantalus Estate, Waiheke Island
7位 Black Estate, Waipara
8位 Olive. , Wellington
9位 The Larder, Wellington
10位 Cafe Polo, Wellington

今回このランキングを作成しながら、これらTOP10すべてのレストランに ”共通点” が2つあることに気が付いた。1つ目は「ローカル」、つまり地元を大切にしているということ。2つ目は季節によってメニューが変わるということ。つまり「旬」の食材を何よりも大切にしている

冒頭にも書いたように「食文化」といえるほどの料理の歴史やクオリティーはないニュージーランドだが、「食」を通して、これほど地球環境やサステイナビリティについて考えさせられたことは、日本でも他の国でもなかった。今、世界中で食の廃棄は問題になっており、先進国ではジャンクフードやファストフードが横行しているが「美味しければいい。安ければいい」という時代はもう終わった。

「食」を通してこれらを感じられたことこそが、ニュージーランドの「食」で最も価値のあることだと僕は思う。そのような目線で、ニュージーランドの「食」を楽しんでもらえると、ニュージーランドの旅もより一層、感慨深いものとなってくるのではないだろうか。

トミマツ タクヤ

ニュージーランド写真家

大学卒業後、大手企業に就職するも会社員生活に馴染めず転職を繰り返す。度重なる体調不良をきっかけに会社員生活に終止符を打ち、2013年 世界一周を夢見てニュージーランドへ初渡航。数ヶ月の滞在予定がニュージーランドのライフスタイルやウェルビーイング(心の豊かさ)に衝撃を受けて、1年4ヶ月もの歳月を過ごす。

帰国後は人生観を大きく変えてくれたニュージーランドの魅力を届けるべく、ニュージーランド写真家として活動を開始。『Small is Beautiful -より小さく より美しく-』をテーマに撮影・表現活動を行う。2015年から過去50回に渡り「写真×音楽×ストーリー」を組み合わせた上映会スタイルの写真展『Small is Beautiful』を日本全国で開催。”写真展示のない写真展” として話題を呼び、延べ5000名以上を動員。自身の人生をも変えたそのメッセージと世界観は多くの人の感動を呼ぶ。

2018年9月にはガイドブック『LOVELY GREEN NEW ZEALAND』を四角大輔氏らと共に出版。2020年1月にはニュージーランドの最長ロングトレイルコース『テ・アラロア』3,000km縦断に挑戦するも、ロックダウンにより1,100km時点で中断(2022年11月より再開予定)。

2020年5月には幸福先進国ニュージーランドに学ぶ「心豊かな生き方=Small is Beautiful」について学び、実践するための オンラインコミュニティ『iti(イティ)』をスタート。日本にいながらもニュージーランドを感じられるような場を作るべく『iti village project』を起ち上げるなど、“Small is Beautiful” の世界観の追求を続けている。

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▶︎ 撮影用HP:TAKUYA LeNZ Photography

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